スキレットのシーズニングのやり方!最初の使い始めの手入れ方法と失敗例も紹介!
スキレットは食材を美味しく焼けて、インスタ映えする見た目からも人気の調理器具です。そんなスキレットはきちんとシーズニングすることで長く使い続けることができます。この記事では使い始めと日々のお手入れとしてのシーズニングの方法を詳しくご紹介します。
目次
スキレットの使い始めはシーズニングから
スキレットは溶けた鉄を鋳型に流し込んで整形した調理器具です。黒く、分厚く、いかにも「鉄がむき出し」という見た目をしており、調理後そのままテーブルに出した時の雰囲気の良さにインスタやSNSで多く取り上げられています。スキレットは熱伝導率が高いため保温性に優れ冷めにくく、食材をじっくり加熱することができます。
ただし、スキレットは最初に「使い始めのお手入れ」が必要となります。よくある失敗としては、買っていきなりスキレットでお肉を焼いて焦げ付かせてしまい、無理やり擦って落として表面がボロボロになることです。スキレットは正しいやり方でお手入れをする必要があり、これを「シーズニング」と呼びます。その正しいお手入れ方法「シーズニング」について説明します。
スキレットのシーズニングとは?
「シーズニング」とは「慣らす」という意味の言葉で、ここではスキレットを「油に慣らす」という意味を指します。シーズニングには、「使い始めのお手入れとしてのシーズニング」と日々使い終わったら行う「お手入れとしてのシーズニング」の2つがあります。「スキレットを買って失敗した…」と後悔しないために正しい方法でお手入れをする必要があります。
スキレットのシーズニングのやり方
使い始めであれ、日々のお手入れであれ、シーズニングのやり方は正しい方法で、正しい手順でやらなければなりません。そして、1つでも飛ばしたり、手を抜いてしまうとそのあとの工程は無駄になってしまうことも。こう聞くとハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、重要なのは「時間がかかるもの」と最初から認識しておくことです。時短できることはなく、じっくりお手入れしましょう。
①シーズニングに必要なものを用意
シーズニングに必要なものは最初に手に届くところにおいて準備しておきましょう。シーズニングは時間がかかり、「待つ」ことが必要になりますが、同時にタイミングを誤ると錆びてしまうこともあります。「待つときは待ち、手を加えるときは手早く」が鉄則です。
シーズニングに必要なものは、
- 食器用洗剤(使い始め限定)
- 野菜の皮や切れ端(使い始め限定)
- 油(オリーブオイルまたはサラダ油)
- キッチンペーパー
- 厚手の布や軍手
②サビ止めを洗剤で落とす
最初にスキレットの表面を覆っている防サビ加工の工業用油やワックスを洗剤を使って落とします。ここはスポンジを使ってゴシゴシ擦って落とします。鍋面から取っ手まで洗いましょう。よくある失敗として取っ手のサビ止めを落とさずに、取っ手から痛み始めてしまうことです。取っ手もしっかり洗いましょう。ただし、洗剤でスキレットを洗うことはこれが最初で最後になります。
③スキレットでお湯を沸かす
十分に洗剤で洗った後、スキレットでお湯を沸かします。これは洗剤で落としてきれなかった油やワックスを浮き上がらせるためです。沸騰後、中のお湯を捨て、すぐに表面の水を拭き取ってください。サビ止めを落としたスキレットは鉄がむき出しの状態なので、表面の水分でスキレットが錆び始めてしまいます。用意したキッチンペーパーで速やかに水分を拭き取りましょう。
④スキレットを空焼きする
スキレットの表面の水分を拭き終わったら、スキレットを空焼きします。空焼きすることは、表面の水分を飛ばすことと、油と馴染みやすくする目的があります。そのため、表面の水分が蒸発しても加熱はやめてはいけません。目安はスキレットの表面の色が変わるまでです。スキレットは最初黒い色をしていますが、加熱が進むと白っぽくなってきます。全体が白っぽくなるまで焼いていきましょう。
シーズニングを自宅のコンロで行う場合、意外と加熱した際のムラがあるので、適度に動かしつつ加熱していきましょう。この時、スキレットは取っ手もかなり高温になるので軍手や厚手の布を使って作業しましょう。また、家庭用のコンロの場合、安全装置が付いていることがあるので、安全装置が作動するまで加熱しましょう。
⑤全体に油を薄く塗って空焼き
最初に行う使い始めのシーズニングもここで折り返しです。スキレットが十分に加熱できたら、鍋全体(取っ手も忘れずに)に良質な油を塗りましょう。この場合の良質な油とはオリーブオイルやサラダ油などです。ここで塗る油は、その後のスキレットの表面を覆う油膜になるので、質のいい油を使うことをおすすめします。
油を塗り終わったら、再び焼いていきます。スキレットを焼いて高温にすることで油と馴染んでいきます。スキレットを適度に動かしつつ、表面の色が白みがかってくるまで焼きましょう。この油をなじませる方法を2〜3回繰り返します。ここで、手間を省いて1回だけにしたり、半端に塗ったりすると、油膜にムラができ、そこから痛み始めます。丁寧に油を馴染ませましょう。
⑥野菜を炒めて鉄臭さを取る
「油を塗って空焼きをする」、この方法を繰り返し、十分に表面に油が馴染んだら、今度は鉄臭さを野菜の香りで打ち消していきます。この時使う野菜の切れ端や皮は、玉ねぎ、ネギ、にんにく、生姜、セロリなど香味野菜がおすすめです。イメージとしては油膜に野菜の匂いを染み込ませて、もともとスキレットが持つ鉄臭さを覆い隠す感じです。
野菜を焼き終わったら、冷めるまで待ち、触れるぐらい冷めたらササラなどで野菜くずを払い、水を入れて沸騰させ、野菜のくずや汚れを浮き上がらせて落としましょう。冷めきらないうちに水を入れるとスキレットが割れてしまうことも。また、洗剤で洗うことは絶対にNGです。せっかくできてきた油膜を落としてしまいます。沸騰後、お湯を捨て、空焼きをして表面の水分を飛ばしておきましょう。
⑦油を薄く塗って完了!
ここまでくれば使い始めのシーズニングも終盤。空焼き後のスキレットが冷めたら、表面全体に油を塗りましょう。これで、スキレットを買ってから最初に行う「使い始めのシーズニング」は完了です。ここまでご紹介したシーズニング方法は基本的なやり方になります。スキレットは最初にきっちり手間をかけてあげることで、使いやすく、長持ちさせることができます。
大事なことは手間と時間を惜しまないことです。ササラで洗うことがめんどくさく、洗剤を使った時点でシーズニングは失敗します。冷めることを待地きれず水をかけて冷ましてもシーズニングは失敗です。加熱を水を飛ばす程度にしてしまうのも、加熱が不十分となり失敗します。失敗は常にせっかちな行動の後にやってきます。正しい方法で手間暇かけることが肝心です。
スキレットの普段のお手入れ方法
スキレットを買って最初に行う使い始めのシーズニングが終わったら、その後のスキレットはお手入れ不要かといえばそうではありません。スキレットを使い終わるたびに、お手入れが必要です。スキレットの表面に残ったソースや食材に切れ端、食材の汁や劣化した油はスキレットにとっていいものではありません。放置してしまうとスキレットの表面の劣化に繋がります。
スキレットは最初の使い始めのシーズニングが終わったとしても、鉄を固めて作った調理器具に変わりはありませんし、その鉄と食材との間には目に見えないほど薄い油膜があるだけです。この油膜は料理をするたびに薄れ、剥がれていきます。使い終わったら、しっかり表面の汚れは落とし、油膜を足してあげる必要があるのです。ただし、ここでのお手入れ方法は、最初のやり方よりも工程は少ないです。
使用後はお湯を沸かして汚れを落とす
最初のシーズニングのやり方と同様、まずは表面の余計なゴミをササラで落とし、水を入れて沸騰させます。ここで注意しなければならないのが、使用後すぐに水を入れてしまうとスキレットは温度変化に耐えられずに割れてしまいます。冷めるのを待つか、お湯を注いであげて沸騰させましょう。この汚れ落としの方法は今後守っていきましょう。決して洗剤は使ってはいけません。
洗った後はシーズニングして保管
スキレットの表面の汚れが落ち、沸騰後に十分に冷ましたら、油膜を足しあげましょう。油膜を足す方法は最初の使い始めのシーズニングと同様です。まずは油馴染みをよくするために空焼きをしてあげます。この時、表面の油膜が燃焼することで煙が出てきます。この煙が落ち着いてきたら加熱をやめ、冷めたら全体に(取っ手も忘れずに)油を塗りましょう。
油を塗り終わったら、冷めるのを待ち、新聞紙などに包み、湿気の少ないところで保存します。シーズニングでは高温のスキレットを触るタイミングがあるので、火傷には注意しましょう。軍手や厚手の布でスキレットを掴むようにしましょう。怪我に注意しつつ、やり方を守って、正しい方法でスキレットをケアすれば、愛着が湧いて、自然とお手入れも苦にならなくなるはずです。
スキレットのシーズニングを失敗しないために
スキレットのシーズニングは時間がかかりますが、工程の中にはひたすら待つだけでなく、手早く動かなくてはいけないシーンもあります。だからといってやり方を変えたり、手順を省いたりすることは失敗の一番の原因です。また、そのほかにもシーズニングが失敗してしまうポイントがあるので、シーズニングを失敗しないためのチェックポイントをご紹介します。
空焼き中に煙が出なくなったら一度冷ます
スキレットのシーズニングに空焼きは必須要素になります。最初のシーズニングでも、お手入れとしてのシーズニングでも必ず行います。空焼き後の注意点は急冷しないということはもちろんですが、油を塗ってからの空焼きは煙が出なくなったら一度冷ますことが大事です。「空焼き、冷ます、油を塗る」を繰り返し行うことを覚えておきましょう。
空焼き中は油の具合を慎重にチェック
空焼き中の油の様子は必ずチェックしておきましょう。中途半端な空焼きでは意味がありません。スキレット全体に油を塗って、空焼きをしたら、一旦表面から煙が出るのを待ちましょう。煙が出たらそれがおさまるまで加熱します。この「煙が出なくなるまで加熱する」ことは押さえておきましょう。安全装置があるコンロでやる場合は安全装置が作動するまでで構いません。
取っ手の部分も油を塗るのを忘れずに!
スキレットのシーズニングでよくある失敗例は取っ手のシーズニング忘れです。予防策としては、最初のシーズニングの一番始めの工程である「洗剤で洗う」段階で取っ手も忘れずに洗うということです。大事なのは意識づけです。この記事で紹介しているシーズニング方法で、「スキレット全体」はスキレットの取っ手も含んでいます。取っ手も忘れずにお手入れしましょう。
スキレットのシーズニングは最初が肝心
スキレットのお手入れ方法2パターンと失敗しやすいポイントをご紹介してきました。最も大切なのは最初のシーズニングです。ここでしっかりスキレットを最高な状態に仕上げることが、その後のスキレットライフを左右します。時間と手間をかけ、スキレットを育ててあげるようにお手入れしてあげることで、食材を美味しく、食卓を彩る相棒になってくれることでしょう。
この記事のライター
agaraukroam
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