ダッチオーブンで燻製を作ろう!キャンプ/アウトドアでスモークベーコンやスモークチーズ作り!
キャンプでお馴染みのダッチオーブンを使った燻製作りをご紹介します。ダッチオーブンがあれば、お好みのスモークチップを使って手軽なスモークチーズやベーコンなど、色々な燻製料理が楽しめます。ぜひダッチオーブンで燻製を作ってワンランク上のキャンプを楽しんで下さい。
目次
ダッチオーブンを使えばキャンプで燻製料理が楽しめる
キャンプなどのアウトドア料理でおなじみの鍋として、ダッチオーブンがあげられます。ダッチオーブン1つがあれば、本格的な煮込み料理をはじめ、ワイルドなアウトドア料理をいろいろ楽しむことができます。しかも、家庭では難しい本格的な燻製料理も、ダッチオーブンがあれば可能です。
ダッチオーブンで燻製を作るなら知っておくべきこと
ダッチオーブンは、キャンプなどでのアウトドア料理の強い味方です。さらに家庭では煙が心配な燻製も、アウトドアでダッチオーブンを使うと心置きなく楽しめます。ただしダッチオーブンで燻製を作る場合、気をつけるべきことがいくつかあります。うっかりすると、ダッチオーブンが真っ黒に汚れて、他の料理を作る気分にならなくなってしまいます。
ダッチオーブンで燻製を作るなら「熱燻」が良い
燻製は、塩漬けにした肉や魚を煙で燻す(いぶす=スモークする)ことで、長期間保存ができるようにした保存食の一種です。ただし、近頃では食品の保存を主目的にせず、独特の香ばしい風味を食品につけて楽しむことを目的として作られることもしばしばです。
燻製の作り方には、3種類あります。高温であぶりながらスモークする熱燻(ねつくん)、低温でじっくりと長い時間をかけてスモークする冷燻(れいくん)、その中間の温燻(おんくん)です。
ダッチオーブンを使った燻製に向いているのは熱燻です。燻製独特の風味がつくと共に、具材の中には水分が十分に残り、ジューシーな味わいも楽しむことができます。スモークにかける時間が他の方法と比較すると短時間で済むので、キャンプが短時間であっても試みることのできる燻製法です。
熱燻は、80℃以上の高温で、比較的短時間(1時間くらいまで)スモークする調理法です。前で述べたとおり、キャンプなどアウトドアでダッチオーブンを使って手軽に楽しめるのは、この熱燻法です。燻製独特の風味を食材につけることを主目的として行います。仕上がった燻製には水分が多く残り、ジューシーな柔らかさも楽しめます。ただし、出来上がった燻製は日持ちしません。
一方、ほとんどの燻製食品は、温燻で作られます。温燻は50℃から80℃くらいの温度で食材をじっくりとスモークするものです。ベーコンやロースハムやソーセージなどはほとんど温燻法で作ることができ、熱燻で作った燻製よりもジューシーさは失わますが、ある程度(数日から1週間程度)は日持ちするようになります。
最後に残った冷燻は、25度以下の低温で長期間(2週間から数カ月)かけてじっくりとスモークする方法です。外気が冷たくならないと作業ができないので、キャンプでの料理には向きません。燻煙と乾燥を繰り返すので、3種類の燻製法のなかで食材の水分は最も少なくなり、長期間の保存が可能になります。生ハムやドライソーセージなどが、冷燻で作られる食品です。
スモークチップが焦げないようアルミホイルが大事
ダッチオーブンで燻製を作る場合は、アルミホイルが不可欠です。まずダッチオーブンの底にアルミホイルを敷く必要があります。その上に乗せるスモークチップが鍋底に焦げ付くのを防ぐためです。またスモークチップの上にも、食材から落ちてきた油を防ぐためにアルミホイルが必要です。ダッチオーブンの汚れを防ぐためにも、アルミホイルは便利です。
汚れが気になる人はダッチオーブンを燻製専用にするのが良い
燻製を作ると、スモークチップの煙や食材の油分でダッチオーブンの内部も燻(いぶ)されて、タール状の汚れがびっしりとこびり付くからです。汚れに対する一番簡単な対策は、ダッチオーブンの内部をアルミホイルで完全に覆うことです。さらに良い方法は、燻製専用のダッチオーブンを1台別に用意することです。これならダッチオーブンの内部の汚れも全く気になりません。
ダッチオーブンで燻製を上手に作るコツ
ダッチオーブンで燻製を作ることは、キャンプなどアウトドア活動の忘れられない思い出のひとつになるでしょう。しかしダッチオーブンで燻製を上手に作るためには、実はいくつかのコツがあります。
食材を入れる前に火にかける
おいしい燻製を作るためには、まずダッチオーブンにアルミホイルを敷いてスモークチップを置いた後、鍋を火にかけて十分熱します。スモークチップから十分に煙が上がるようになってから、はじめて食材をダッチオーブンの中に置いた脚付きの網の上に置くようにします。
蓋は少しだけ隙間を開ける
食材を並べた後は、ダッチオーブンにふたをします。そのときにダッチオーブン本体とふたの間に割り箸や細い枝などをはさんで、ほんの少しだけすき間を空けておくことが大切です。
ダッチオーブンは密閉性がとても高いので、わざとすき間を作るようにしないと、食材の水分が鍋の中に残ってしまいます。ダッチオーブン内部の空気がなくなって、スモークチップから出る煙が消えることもあります。
燻製時間は食材によって変わる
食材が燻製になるまでの時間はそれぞれ異なります。チーズやうずら卵といった小さなものが燻製になる時間と、スモークベーコンの塊が完成するまでの時間は、全く異なります。半生のままの食材を食べてしまうことにならないように、時々ダッチオーブンのふたを開けて、でき具合を確認するようにしてください。
初心者にもおすすめなスモークチーズの作り方
燻製初心者にまず試してもらいたいのは、チーズの燻製、つまりスモークチーズを作ってみることです。チーズは小さな固まりなので、燻製になるまでの時間はそれほどかからないし、万が一スモークが不完全で半生のまま食べてしまっても大丈夫な食材だからです。
硬めのプロセスチーズを使うのが良い
燻製に使うチーズは、溶けない硬めのものを使いましょう。普通のプロセスチーズで十分です。やわらかいチーズの燻製を作ろうとすると、ダッチオーブンの中で溶けてしまいます。中身が溶け出てしまうのを防ぐため、例えばカマンベールチーズの燻製を作る場合は、皮のついた固まりをそのままスモークすれば大丈夫です。
作り方と燻製目安時間
チーズはザルなどをかぶせて、1時間ほど乾燥させておきます。ダッチオーブンにアルミホイルを敷き、ひとつかみのスモークチップをまんべんなく置いて、脚つきの網を乗せます。ダッチオーブンから煙が出るまであらかじめ加熱して、チーズを置いてふたをし、5分間ほど弱火でスモークします。ダッチオーブンのふたを開けてチーズが色づいていたら完成です。
たこやうずらの卵を一緒に入れるのもおすすめ
チーズと一緒に、ビールのつまみになるものの燻製を作ると楽しいです。材料はゆでたうずら卵やホタテやタコの足などです。あらかじめ塩・コショウで味をつけてダッチオーブンに入れておくと、おいしい燻製ができます。このときうずら卵の殻はむいておいてください。
チーズと同じぐらい簡単なものといえば、ミックスナッツやウインナーもあげられます。10分間ほどスモークすることによって香ばしい風味が食材につき、ビールのおつまみとして最適です。ウインナーを燻製するときは、ダッチオーブンに入れる前に、表面に浮いた水分をよく拭き取ってください。
上級者におすすめなスモークベーコンの作り方
燻製を作るのに慣れてくると、新しいメニューに挑戦したくなります。そんな燻製上級者におすすめしたいのが、スモークベーコンを作ることです。スモークベーコンを作るのには手間がかかりますが、できあがったものを一口でも食べると、誰もが手作りベーコンのファンになってしまいます。
アウトドア前日から必要な事前準備
スモークベーコンをアウトドアで楽しむためには、あらかじめ下準備が必要です。豚バラのブロック肉に重量の5%の塩と1%の砂糖、そしてコショウ適量をよくすり込みます。密封できるポリ袋に肉とローズマリーの枝を一緒に入れて、5日間程冷蔵庫で寝かせます。それからたっぷりの水に肉の塊を5時間程漬けて塩を抜き、脱水シートで包んで冷蔵庫で1日乾かしておきます。
スモークベーコンの作り方
キャンプの前に肉の準備をしておいたら、ダッチオーブンでスモークするだけです。ダッチオーブンにアルミホイルを敷いて、スモークチップひとつかみとローズマリーの枝を入れます。それからダッチオーブンに網を乗せて準備しておいた肉の塊を置き、ふたをします。その状態でまず強火で5分間、続いて弱火で10分間熱を加えて火を止め、さらに30分間放置すると完成です。
ベーコン風でもっと簡単に作れる燻製豚ブロックの作り方
スモークベーコンはおいしそうだけど、下準備に手間がかかりすぎると感じる人は、同じ豚バラのブロック肉を材料にした、もっと簡単な燻製豚肉を試してみてください。スモークベーコンよりずっと簡単でスモークチーズよりずっと本格的な燻製を、楽しむことができます。
用意する材料
材料は、ベーコンと同じ豚バラのブロック肉です。ただしベーコンのように手間のかかる下準備は必要ありません。ブロック肉を適当にカットして、フォークで何カ所か刺しておき、塩と黒コショウをふりかけてなじませるだけでOKです。
燻製豚ブロックの作り方
肉の下準備が済んだら、手順にしたがって燻製にすれば良いだけです。ダッチオーブンにアルミホイルを敷いてとスモークチップと網をセットし、肉を置き、煙が出るまで強火、その後は中火で約30分間スモークします。でき上がった燻製の豚肉は、ダッチオーブンから取り出してキッチンペーパーの上に置き、十分に冷めるまで放置してください。
ダッチオーブンによる燻製が可能な食材は、他にもいろいろあります。チキンをスモークすればスモークチキンになるし、シシャモや塩じゃけもダッチオーブンを使えば立派な燻製になります。ただしこれらの食材は生ものなので、中まで十分に火が通っているかを時々ダッチオーブンのふたを開けて確認しながら、十分にスモークするようにしてください。
「こんなものまで!」と思わず声を上げたくなる燻製もダッチオーブンを使うと可能です。薬味や調味料です。ごまやニンニクなどの薬味の燻製なら、なんとなくイメージできるかもしれませんが、塩やコショウやしょうゆといった調味料の燻製はどうでしょうか?しょうゆなどに燻製独特の風味をつけて、普段とは少し変わった香りの料理を楽しんでください。
燻製料理をダッチオーブンで作ってワンランク上のアウトドアにしよう
キャンプなどアウトドアで料理するときに、ぜひ試してもらいたいのは、ダッチオーブンを使った燻製です。ここではその際の注意点やコツとともに、いくつかのメニューを紹介しました。ダッチオーブンに入る食材なら、チーズから肉の塊まですべて燻製にすることが可能です。キャンプの際にはダッチオーブンを忘れずに荷物に入れて、ワイルドな燻製を楽しんでください。
この記事のライター
ミヨちゃん