ダッチオーブンのシーズニング方法!使い始めのお手入れから使用後の保管方法も解説!
アウトドアで大活躍間違いなしのダッチオーブン!これさえあれば料理のレパートリーがグッと広がります。そんなダッチオーブンの使い始めに欠かせないシーズニング。今回はシーズニング方法から使用後のお手入れ方法まで細かく解説します!これからキャンプに行く方必見です!
目次
ダッチオーブンに欠かせないシーズニング
外の空気を吸いながら、みんなで火を囲って、ホクホクと温かい食事を共にする。アウトドアって想像するだけでワクワクしますよね!
アウトドアというと、最近良く耳にするダッチオーブン。どのようなものかご存知ですか?ダッチオーブンは煮る・焼く・蒸す・茹でるなど様々な調理法が可能な万能鍋です。1つ持っていれば、非常にバラエティーに富んだ料理に挑戦することができます!秋口の季節、ダッチオーブンを使った料理がぴったりではないでしょうか。
とっても便利なダッチオーブンですが、使い始める前には大切な準備があります。ダッチオーブンは鋳鉄という錆びやすい素材でできているため、新品のダッチオーブンは錆防止用にワックスや工業用油が塗られています。美味しい料理を作るためには、使い始める前にワックスを洗い流し、代わりにきれいな油でコーティングする必要があります。
この工程のことを「シーズニング」といいます。鋳鉄製のダッチオーブンを使い始める前の準備としてシーズニングは必ず行わなければなりません。また、シーズニングを繰り返し行うことで、黒く光沢を帯びた、重厚感のあるダッチオーブンになり、この状態のダッチオーブンは「ブラックポット」と称され、ダッチオーブンの理想形とされています。
ダッチオーブンのシーズニングに必要な7つのアイテム
ダッチオーブンのシーズニングには必要なものが7つあります。これら一つでも欠けるとシーズニングは完了できないので、必ず用意してください。
洗剤
ダッチオーブンにコーティングされた錆止め用のワックスを落とすのに使います。普段お使いの中性洗剤でOKです。ダッチオーブンの種類によっては洗剤が使えない場合もあるため、使用するダッチオーブンが洗剤OKのものか必ず確認してください。使用不可の場合はお湯で洗い流せばOKです。
油
シーズニングで使用する油はオリーブオイルが適しています。オリーブオイルは他の植物油(サラダ油など)に比べて耐熱性が高く、焦げつきにくい特性があります。また、香りも良いのでオススメです。オリーブオイルが無い場合はサラダ油でもOKです。塩分を含んだ油は錆の原因となるので、必ず無塩のサラダ油を使用しましょう。
ヘラ
野菜くずを炒めるときに使用します。また、使用後のお手入れのときに、焦げついた鍋底の汚れを削ぎ落とすためにも使用できます。金属製のヘラは鍋を傷つけてしまうので、竹製、木製、ゴム製のヘラを使用しましょう。
たわし
ダッチオーブンにコーティングされているワックスを取るときにつかいます。金属たわしはダッチオーブンを傷つけてしまうことがあるので、亀の子たわしを使用しましょう。硬めのナイロンスポンジでもOKです。
キッチンペーパー
ダッチオーブンにオリーブオイルを塗りこむときに使います。ワックスを洗い流したあと、ダッチオーブンにしっかりと油をなじませることが大切です。
野菜くず
料理への臭い移りを防ぐために使います。ダッチオーブンはそのまま使うと鉄臭さが料理に移ってしまうため、使用前に食べない野菜くずを炒めることでダッチオーブンの鉄臭さを取り除きます。
グローブ
シーズニングはオイル塗って焼いてを繰り返します。高温のダッチオーブンを扱うときは必ずグローブを着用しましょう。蓋や鍋の取っ手にいたるまで、ダッチオーブン全体が高温になりますのでやけどに十分注意してください。
使い始めが肝心!シーズニングの5つの手順
準備するものが揃ったら、さっそくシーズニングをはじめましょう!ダッチオーブンは使い始めの準備が最も重要です。けっこう煙が出るので、アウトドアの環境で行うことをオススメします。室内で行う場合も換気は十分に行いましょうね!
洗剤でワックスを洗い流す
まず、ダッチオーブンに水をたっぷり入れて火にかけます。40~50℃くらいになるまで温めると、コーティングされたワックスが浮き上がってきます。たわしと洗剤でダッチオーブンをゴシゴシとこすり、浮き上がったワックスを洗い流しましょう。蓋も同様に行ってください。
煙が出るまで熱して乾燥させる
洗剤をしっかり洗い流し、タオルなどで水気を拭き取り、再び火にかけます。熱しているとダッチオーブンから白い煙が出てきます。その煙が出なくなるまでしっかり熱して乾燥させましょう。実は、ダッチオーブンの表面には無数の小さな穴が開いています。そこに含まれる水分まで完全に乾かすことがポイントです。
ダッチオーブンにオイルを塗って焼く
ダッチオーブンが完全に乾いたら、キッチンペーパーを使ってオイルを塗り込んでいきます。しっかりオイルを塗り込んだら火にかけます。煙が出てきたら弱火にして、煙が出なくなるまで熱します。この「オイルを塗る→熱する」工程を4~5回繰り返すと、油が馴染み、黒く光沢を帯びたブラックポットに近づきます!
野菜くずを炒める
このまま料理をしてしまうと、ダッチオーブンの鉄臭さが料理へ移ってしまいます。そこで、食べない野菜くずを炒めて、ダッチオーブンの臭いを取り除いておきましょう。ニンニク、生姜などの香りの強い野菜くずを入れると効果的です。
ダッチオーブンにオイルを塗る
炒め終わったら野菜くずを捨てて、冷めきらないうちにキッチンペーパーを使ってダッチオーブンにまたオイルを塗りましょう。蓋や本体の外側も忘れずに塗ります。あとは自然に冷まして、シーズニング完了です!
ダッチオーブンをシーズニングするときの注意点
ダッチオーブンをシーズニングするには何点か気をつけておきたいポイントがあります。ダッチオーブンを使い始める前に必ず抑えておきましょう。
金属たわしは傷がつくので使用を控える
金属たわしはステンレスでできていることが多く、油に強く、コイル状の輪によって汚れを絡みとってくれます。しかし、ダッチオーブンのお手入れには不向きです。ダッチオーブンの表面を傷つけてしまうことがあるため、金属たわしは絶対に使用しないでください。たわしを使用する場合は亀の子たわしを使用しましょう。
クレンザーは使用しない
ワックスをきれいに落とそうとして、クリームクレンザーは使わないでください。ダッチオーブンの表面に開いた無数の細かい穴に、クレンザーが詰まってしまいます。
急激に冷まさない
鋳鉄製のダッチオーブンは性質上急激な温度変化に弱い作りになっています。例えば、高温に熱せられたダッチオーブンに冷水をかけると、ひび割れてしまうことがあります。冷ますときは、焦らず自然に温度が下がるのを待ちましょう。
ステンレス製はシーズニング不要
ダッチオーブンは鋳鉄製のものが多く使われていますが、他にも様々な素材のダッチオーブンが販売されています。ステンレス製やアルミ製のダッチオーブンはもともと錆に強い素材を使用しているため、錆止めのワックスがコーティングされていません。購入後すぐに使用することができます。また使用後のメンテナンスとしてのシーズニングも不要です。
ダッチオーブン使用後のお手入れと保管方法
使用後のお手入れを怠らない
鋳鉄製のダッチオーブンはなかなかデリケート。使い続けるには使用後のお手入れ(メンテナンス)が重要です。このメンテナンスを丁寧に行うことで、しっかりと油が馴染んだ”ブラックポット”に育っていきます。きっと愛着の湧くダッチオーブンになっていきますので、メンテナンスは怠らず、必ず行いましょう!
熱湯入れ沸騰させる
使用後、取れる汚れはキッチンペーパーなどを使って取り除いておきましょう。そして、ダッチオーブンにたっぷりの熱湯を入れて沸騰させます。熱い鍋に冷水を注ぐと割れてしまう恐れがあるため、必ずお湯を注ぎましょう。洗剤を使って洗うのはNGです。せっかくコーティングした油を落としてしまいます。
汚れを落とす
ダッチオーブンにお湯を入れて沸騰させると、汚れが浮き上がります。こべり付いた汚れもふやけて落としやすくなります。鍋底などの取れにくい汚れは、ヘラで削ぎ落としましょう。金属だわしや金属製のヘラは使用しないでください。
完全に水分をとばす
汚れを落としたら、お湯で汚れを洗い流します。軽く水分を拭き取ったあと、ダッチオーブンを火にかけて、完全に水分を飛ばしましょう。蓋も同様に行ってください。
薄く油を塗り軽くふき取る
完全に水分が飛んだら、シーズニングの要領でキッチンペーパーを使ってダッチオーブンにオイルを塗っていきます。余分なオイルは拭き取りましょう。こうすることで、保管中に錆びついてしまうのを防ぎます。
シーズニング後の保管が長持ちする鍵
ダッチオーブンは保管方法も重要です。保管方法を注意しないと、せっかくの「ブラックポット」が使えなくなってしまうこともありますので長持ちの秘訣を抑えておきましょう。
サビ対策を徹底する
鋳鉄製のダッチオーブンは空気中の水分でも錆びついてしまいます。使用後、加熱によって水分を完全に飛ばすことはもちろん、油のコーティングも丁寧に行いましょう。また、ダッチオーブンの中に新聞紙や乾燥剤を入れるなどして、保管時の湿気対策を徹底しましょう。保管場所も風通しの良いところを選ぶとよいです。
定期的に使用する
しばらく使用せずに長期間保管することも錆を発生させる原因になります。ダッチオーブンの出番はキャンプだけではありません。自宅のキッチンコンロでも使用できますので、定期的に使ってあげてください。最近ではIHコンロでも使用できるダッチオーブンも出ていますので、購入時に普段使いにも着目してみるのもいいですね!
新聞紙に包み専用ケースに入れる
ダッチオーブンはなかなかの重量なので、専用ケースを用意すると持ち運びに便利です。専用ケースがない場合は購入時の箱に入れてもOKですが、重量に耐えられるように、ガムテープなどで補強しておきましょ。ダッチオーブンを保管するときは、新聞紙に包むと湿気を吸ってくれるのでオススメです。
シーズニングをマスターしてダッチオーブン料理を楽しもう
シーズニングをマスターすることは、ダッチオーブンを使い始める第一歩としてとても重要なことです。コーティングされたワックスを丁寧に洗い流し、油を塗り込みましょう。使用後のお手入れや保管方法も重要です。水分を完全に飛ばして、油でしっかりコーティングし、湿気に注意して保管します。 注意点を守れば、なにも難しいことはありません。
お手入れを丁寧に行い、何度も何度も繰り返し使い込むことで、黒く光沢を帯びたピカピカのダッチオーブン、「ブラックポット」に仕上がります。ダッチオーブンは調理法も広がるため、使い始めるとその魅力にハマってしまうこと間違いなしです!ぜひ自分だけの「ブラックポット」を育てて美味しい料理を作りましょう!
この記事のライター
Nami