ダッチオーブンでのローストビーフ&ソースの作り方!キャンプやアウトドアで役立つレシピを紹介!
ダッチオーブンは鋳鉄製の万能アウトドア調理器具で、ローストビーフを作るのに最適なツールといえます。今回はアウトドア料理の花形であるローストビーフをダッチオーブンで作る方法とその注意点、そして付け合わせのソースの作り方を合わせてご紹介します。
目次
ダッチオーブンでローストビーフを作る魅力
キャンプでの楽しみといえば何と言ってもキャンプ飯。そんなアウトドア料理の強い味方がダッチオーブンです。また、アウトドア料理の中でもトップクラスに豪華なご馳走といえばローストビーフです。今回はアウトドア料理の黄金の組み合わせ、ダッチオーブンで作るローストビーフのレシピと、そのローストビーフにぴったりの3種類のソースのレシピも合わせてご紹介します。
ダッチオーブンの特徴は厚く重厚な鍋と蓋です。厚みのある鍋底は熱を均一に鍋全体に広げ、じっくり食材に熱を通していきます。また重い鍋蓋によって鍋は密閉され、加えて鍋全体から熱が伝えられるので、鍋の中は圧力鍋状態です。そのため、お肉の旨味と肉汁が中に閉じ込められ、ジューシーなローストビーフができます。ぜひこの記事を読んで、得意料理にしてみましょう。
ダッチオーブンでローストビーフを作る前に
ダッチオーブンを使ってローストビーフを作る場合、いくつか道具を用意しないとうまく作ることができません。またダッチオーブンはかなり重量がある他、キャンプやアウトドアでは荷物はなるべく少なく済ませたいところです。そこで、ローストビーフの作り方の前に、ここではそのために必要な道具を厳選してご紹介したいと思います。
アウトドアでダッチオーブンの調理に必要な道具
- 底網
- アルミホイル
- 木炭
- トング(炭掴み用)
- キッチンペーパー
- 金串
底網はダッチオーブンの鍋底とお肉との間に空間を作り、蒸し焼きにするために使います。アルミホイルは余熱調理のために、木炭は鍋蓋の上から加熱するために、キッチンペーパーは鍋底を拭くために、金串はお肉の火の入り具合を確かめるために使います。
ダッチオーブンのメインの熱源が焚き火や炭火の場合、ダッチオーブンを置いたり支えるための台や三脚が必要となります。五徳スタンド付きのバーナーやバーベキューコンロを下火とすることは可能ですが、その際は別に炭火を用意しておきましょう。炭掴み用トングは、キャンプやアウトドアなど、炭火を安全に使うために必要なので必ず用意しておきましょう。
ローストビーフにおすすめのお肉の部位
ローストビーフを作るとしても、お肉には様々な部位があります。ヒレ肉、サーロイン、肩ロース、モモ肉、などなど、それぞれ適した調理法があります。ローストビーフを作るときに適したお肉の部位は肩ロースやリブロースといった「ロース肉」です。なぜロース肉がローストビーフ作りに適しているのか、特徴を押さえておきましょう。
ロース肉には肩ロースとリブロースの2種類があります。肩ロースは脂身が少なく赤身の旨味が詰まった部位になります。一方リブロースは適度に脂身が入っており、赤身の旨みと脂身の甘さが楽しめる部位です。さらに、「ロース」とは「ローストするのにふさわしい部位」という意味があるほどで、ロース肉はローストビーフに最適なお肉なのです。
ダッチオーブンで焼くローストビーフの作り方
調理器具とお肉の部位が決まったところで、ローストビーフのレシピをご紹介していきます。ローストビーフの作り方は難しいと考えている方も多いのではないでしょうか。ですがダッチオーブンを使うことで、アウトドアでも簡単にローストビーフを作ることができます。ぜひこれから紹介するレシピを押さえて、キャンプやバーベキューで実践してみてください。
必要な材料と下ごしらえ
- ロース肉のブロック(肩ロースまたはリブロース)
- 塩・コショウ
- にんにく
- オリーブオイルまたはサラダオイル
- お好みの野菜(付け合せ用)
塩コショウの代わりにハーブソルト系を使うのもおすすめです。またタイムやローズマリーなどの香草類を加えるとお店のような風味豊かなローストビーフに仕上がります。
お肉の下ごしらえは、お肉を常温に戻すところからはじまります。どんな肉料理でも共通して、冷蔵庫から出したばかりの肉は中まで火が通りにくいため注意しましょう。次に肉全体に塩やコショウをよく擦りこんでおきましょう。このとき、気持ち多めに塩を擦り込んでおくと肉の旨味を引き出してくれます。擦り込んだら10分ほど休ませて味をなじませておきましょう。
ロースト前にお肉の表面をしっかり焼く
お肉の下ごしらえが済んだら、油を引いたダッチオーブンでにんにくを炒めて油に香りをつけます。にんにくは付け合わせにできるようにスライスがおすすめです。にんにくの色がきつね色になったら引き上げておきましょう。この時に、にんにくを焦がすと油に苦味がついてしまうので注意して下さい。
油ににんにくの風味がついたら、お肉を焼いていきます。この時にローストビーフの作り方のポイントとして、全ての面にしっかり焼き色をつけることが重要です。この焼き付けが不十分な場合、肉汁を中に閉じ込めることができず、外は香ばしく中はジューシーなローストビーフになりません。表面が少し硬くなるぐらいまで焼き、焼き色がついたら、お肉を引き上げておきます。
ダッチオーブンに蓋をしてローストする
お肉を引き上げたら、鍋底に残っている油をキッチンペーパーでしっかりと拭き取りましょう。その後、底網を敷いて、お肉・野菜・お好みでハーブを入れて蓋をします。蓋をしたら蓋の上に火のついた炭を乗せ、下火は中火で30〜40分ほど蒸し焼きにします。焼き上がりを待つ間に洗い物や、別途紹介するソースのレシピを参考にソースを作っても良いでしょう。
30〜40分程度ローストしたら、ダッチオーブンからお肉と野菜類を引きあげます。お肉はアルミホイルで包んでさらに30分程度余熱調理で休ませます。余熱でお肉の中へじっくり熱を伝えることで、お肉の中に肉汁を閉じ込められ、肉汁たっぷりのジューシーなローストビーフができるのです。アルミホイルで包み、30分程度休ませたら、お肉は完成です。
ダッチオーブンでおいしいローストビーフを焼くコツ
おおまかにローストビーフの作り方は紹介しました。ここからは、ダッチオーブンで美味しいローストビーフを焼くコツや注意点を紹介していきます。
お肉は常温に戻してから焼く
お肉を調理するときの鉄則として、お肉を常温にしておく必要があります。常温にすることで均一に熱が入っていくのです。また、常温に戻すために必要な時間の目安は、夏場であれば15分程度で良いですが、冬場は1時間前、それ以外の季節であれば30分程度前に冷蔵庫から出しておきましょう。
問題はお肉を冷凍している場合です。冷凍したお肉を解凍して常温に戻そうとすると、解凍中に肉汁も一緒に水分として滲み出てしまい、パサパサなローストビーフになってしまいます。さらに下味をつけることも出来ず、温度がとても低いため、焼き時間は倍以上必要です。キャンプでローストビーフを作る場合でも、基本的には冷凍せずに冷蔵で持っていくことをおすすめします。
お肉の温度はこまめに確認
ローストビーフの作り方で一番神経を使うのが、「火の通り加減」です。ローストビーフの焼き加減は中がレアな状態が食べごろですが、レアを意識するあまり、中心まで火が通らないことがあります。綺麗なピンク色の断面に仕上げるために、金串で内部の温度をこまめに確認することが大事です。
蒸し焼きをしている最中、できれば5分おきにお肉の内部の温度を確認しましょう。お肉に金串を数秒間刺し、引き抜いて下唇の下につけます。下唇の下の部分は皮膚が薄く、温度を敏感に感じ取ることができます。金串を押し当てて熱ければ火が通っているのでアルミホイルに包んで余熱調理、冷たければ蒸し焼きを続けましょう。これで鮮やかなピンク色に仕上がります。
キャンプでも作れるおすすめソース
ローストビーフはそのまま食べても美味しいですが、より旨みを引き出すソースも欲しいところ。ここでは初めてでも簡単に作れる3種類のソースレシピをご紹介します。どれも作り方は簡単なので3種類作って食べ比べられるようにするのもおすすめです。
王道【グレービーソース】
「ローストビーフのソースといえばグレービーソース」と言えるほど定番中の定番のソースになります。レシピはとても簡単で、ローストビーフを作った流れでそのまま作れますので洗い物も少なく済みます。材料は以下の通り。
- ダッチオーブンで蒸し焼きにした時に残った肉汁
- アルミホイルで余熱調理した時に残った肉汁
- 赤ワイン
- 醤油
- はちみつ
- お酢
作り方は非常に簡単で、これらの材料を全て入れ、ダッチオーブンで煮詰めるだけ。量が最初の半分ほどになるまで煮詰めます。これで完成。肉の旨味、野菜の旨みを余すところなく味わえる贅沢な技ありソースと言えるでしょう。
お肉と相性ばっちり【玉ねぎソース】
もっとさっぱりローストビーフを味わいたいという方におすすめなのが玉ねぎソースです。材料は玉ねぎ、にんにく、赤ワイン、醤油、みりんです。作り方はまず、玉ねぎ1個とにんにく2片をすりおろします。すりおろしたら2つを混ぜ、フライパンで炒めます。玉ねぎが透き通ってきたら赤ワイン大さじ1、醤油とみりんを大さじ4ずつ。これらを混ぜ合わせ、煮詰めて完成です。
冷めてもおいしい【レフォールソース】
レフォールとはホースラディッシュ(西洋ワサビ)のフランス語表記です。このレフォールソースは西洋ワサビの辛味と生クリームのまろやかさがマッチしたソースで、ローストビーフに爽やかなアクセントを加えてくれます。レシピも簡単なので、ぜひ覚えて実践してみましょう。
材料はホースラディッシュ(西洋わさび)、生クリーム(もしくは牛乳)、レモン汁、塩、コショウです。作り方はいたって簡単で、これらの材料を混ぜ合わせるだけです。ホースラディッシュの分量を調節して好みの辛さに仕上げてください。アウトドア料理とは思えないほど上品で爽やかな辛味と風味が鼻を抜けていきます。生クリームの代わりに醤油ベースにしても美味しいです。
ソースを作るタイミングはグレービーソース以外は、ローストビーフを作る前がおすすめです。家庭で作る場合はお肉を焼く直前、キャンプなどの場合は出かける前や前日の夜です。なぜなら、ソース作りはすりおろし器やフライパンなどを使用するため、洗い物が増えてしまいます。キャンプは極力物を減らし、洗い物は少ないほうがいいので、前日に作って持っていくのがいいでしょう。
ダッチオーブンでローストビーフにチャレンジしよう
万能のアウトドア調理器具であるダッチオーブンで、これまた花形的なアウトドア料理のローストビーフを作る方法をご紹介してきました。お肉への火の通り具合に注意しつつ、レシピ通りに作れば失敗はありません。ソースの作り方も簡単なので、おさえておくと良いでしょう。ぜひ今回の記事を参考にダッチオーブンでローストビーフを作ってアウトドア料理を満喫してみてください。
この記事のライター
agaraukroam
アウトドアやレジャーのハウツーについてわかりやすくお伝えできるよう、一生懸命頑張ります!