ダッチオーブンでパン作り!キャンプでもできる簡単なレシピや焼き方を紹介!
キャンプに出かけた時の楽しみの1つは料理ですが、キャンプ先で朝食に焼きたてのパンを食べることが出来たらとてもいい思い出になりますよね。ここではダッチオーブンを使ってパンを焼くことに注目し、ダッチオーブンの選び方やパンを美味しく焼くコツについて紹介していきます。
目次
ダッチオーブンでパンを焼くメリット
最近では、ご家庭でホームベーカリーを使ってパンを焼く方が増えてきました。お子さんと一緒にパンの生地をこねて、焼き立てのパンを食べることは、家族にとってとても幸せなひとときです。それをキャンプ先でダッチオーブンを使ってパンを焼いて、焼きたてのパンを食べることが出来たらとてもいい思い出になることでしょう。
キャンプ先の開放的な空間と、大自然の中で食べる焼きたてのパンは、とても美味しく感じることが出来ます。それは単純に開放的な空間で食べるからということもありますが、ダッチオーブンを使い直火で作ったパンは、自宅でホームベーカリーで作ったパンとは、ひと味もふた味も変わった焼き方のパンに仕上がります。
ダッチオーブンを使ったパン作りは、思いの外簡単に作れますし、焼き方1つで更に美味しいパンに仕上げることも可能です。キャンプ先での料理の1つとして、加えてみてはいかがでしょうか?
パンを焼くのに適したダッチオーブン選びから
キャンプに行く日取りが決まったら、ダッチオーブンを用意しましょう。ダッチオーブンには様々な大きさがあり、どの大きさのダッチオーブンでもパンを作ることは出来ますが、家族の人数や、同行する人の人数により大きさを決めると良いです。家族5人程度で食べるパンの量であれば、ダッチオーブンの直径は25cm~30cmの大きさを選ぶと良いでしょう。
ダッチオーブンの素材は様々で、鋳鉄製、ステンレス製、黒皮鉄板製、カーボン製などが代表的です。各自の特徴や値段についてご紹介していきましょう。
鋳鉄製のダッチオーブンはキャンパーにとっての憧れで、黒くて重厚感のある調理器具としてとても人気があります。使い込むことで表面が油でコーティングされていき、段々と焦げにくくなる素材です。値段は大きさにより変わりますが、2万円前後のものが多く、ダッチオーブンを長く愛用する事ができる素材です。
ステンレス製のダッチオーブンは軽く錆びにくいという特徴があります。お手入れも簡単ですが値段がどうしても高く付いてしまいます。一般的な大きさの12インチで3万円から4万円するものがほとんどですが、お手入れやメンテナンスに時間を取られたくない人にはおすすめなダッチオーブンです。
黒皮鉄板製のダッチオーブンは、表面に皮膜をつけることで錆びにくくお手入れやメンテナンスが簡単な初心者に向けて作られた素材のダッチオーブンです。お値段も12インチで2万円前後のものが多いのでお求めやすい価格となっています。また、ヒートショックにも強いので高温調理も安心なダッチオーブンです。
カーボン製のダッチオーブンは、遠赤外線放射量が他の素材に比べてダントツに多い素材です。調理中も遠赤外線効果により、ダッチオーブン内の食材をじっくり温めることができるので、パンだけでなくお肉や魚などもふっくら仕上がります。価格は12インチの大きさで、3万円前後の物が多いです。
ダッチオーブンでパン作り・準備
キャンプ場でダッチオーブンを使ってパンを焼くためにやっておくとおすすめなポイントがありますので、そちらを紹介致します。
生地は前日から仕込むのがおすすめ
ダッチオーブンを使ってキャンプ場などでパンを焼くためにはパン生地が必要です。パン生地の材料は基本的な小麦粉、塩、砂糖、バター、牛乳、イースト菌で構いません。問題は生地を作るための調理器具です。ボウル、サランラップ、まな板などが必要となりますので、キャンプ場に不必要な荷物を増やさないためにも、パン生地は前日に家で作っていくのがおすすめです。
キャンプで焼くなら生地を冷凍して持参しよう
ダッチオーブンで焼くパン生地が完成したら、出発まではご自宅の冷凍庫に保存しておきましょう。パン生地を冷凍保存しておくことで、イースト菌が発酵しすぎるのを防ぎ、キャンプ場に付いてから生地を発酵させるのを簡単にすることが出来ます。キャンプ場で調理する時間に合わせて発酵を完了させることができます。
パン生地を簡単に発酵する状態に戻せる理由は、パン生地に含まれるイースト菌にあります。イースト菌というのは摂氏5°以下になると活動が停止し、摂氏27°~30°位になると活動が活発化するという特性があります。ダッチオーブンでパン生地を焼く日に温度調整をすることで、生地を簡単に一番いい状態にすることが出来ます。
キャンプ場に出発する時は、冷凍していたパン生地をクーラーボックスなどに入れて持ち運ぶようにしましょう。冷凍したパン生地は、できるだけ現地で解凍し二次発酵する方が美味しくパンを焼くことが出来るため、クーラーボックス内の温度が上がらないように、クーラーボックスの大きさや中に入れる量にも注意してください。
ダッチオーブンでパン作り・調理
キャンプ場についたら、設営と合わせて生地の二次発酵や火起こしの準備を行いましょう。ここからの手際がダッチオーブンで焼く美味しいパンの決め手となりますので集中しましょう。
生地を解凍しながら二次発酵させる
キャンプ場に付いたら、まずパン生地の二次発酵をしましょう。先程もイースト菌の説明をしましたが、摂氏27°~30°で活動が活発になるイースト菌は、冷凍状態から解凍を始めることで、生地を発酵させます。夏場と冬場では解凍を始めるタイミングが違いますので、その点を注意してください。
また、パン生地を外で保管する場合は、場所により野生の鹿や狐などに荒らされないように可能であれば、車内や室内で発酵させましょう。野生の獣たちは臭いに非常に敏感ですので、火を使って料理している時は近づくことは少ないですが、パン生地の2次発酵だけでは臭いで近寄ってくることがありますので気をつけましょう。
ダッチオーブンでパンを焼く
パン生地の二次発酵が終わったら、ダッチオーブンでパンを焼くことが出来ます。焼きたてのパンにハムやベーコンを挟んだり、淹れたてのコーヒーなどを合わせて飲むことができれば、いつもの朝食とは違った、とても幸せなひとときを味わうことが出来るでしょう。
ダッチオーブンで美味しいパンを焼くコツ
ダッチオーブンでパンを焼く際の注意点をいくつか紹介します。これさえ気をつけておけばダッチオーブンでのパン作りはそれほど難しくありませんので、必ず抑えておきましょう。
季節や気温で発酵のタイミングを調整
キャンプ場でパン生地を発酵させるのがおすすめと前述しましたが、季節やその日の気温、湿度によって発酵にかかる時間が変化するほか、生地を冷凍して持っていった場合の解凍時間も発酵過程に加味する必要があります。
夏のキャンプの場合、日中は気温が高いため生地を外に出してしまうと発酵が進みすぎてしまうため、夕方から夜にかけて気温が下がりだしたらクーラーボックスから出すようにしましょう。また、パン生地が砂やホコリなどにさらされることのないように、布巾をかぶせたり、車内で保管するようにしましょう。
キャンプを冬にする時にパンを食べるのであれば、日中の温かい時にパン生地をクーラーボックスから出し、二次発酵をするようにしましょう。もし日中の気温が低すぎて、イースト菌の発酵が進まないようであれば、テント内や室内の暖かい場所で保管するようにしましょう。
火起こしは1時間程前からしておく
パン生地の二次発酵が終わる時間を計算して、パンを焼き始める1時間前から火の準備を行なっておきましょう。炭火は着火した直後は温度が安定せず、パンのように長時間加熱して作る調理には不向きです。十分に余裕を持って火を起こしておくことで、火力を安定させることができ、理想のパン作りを実現することが可能になります。
炭の火加減は下は弱火で上は中火
ダッチオーブンでパンを焼くには鍋底と蓋の上下両面から加熱する必要があり、さらに上下で温火加減を変えなくてはなりません。火加減は蓋側(上)が中火、鍋底(下)が弱火です。弱火の目安は、炭と手が5cmくらいで温度を感じる程度の炭が弱火の炭の目安です。火起こしから一時間程度たった炭を選びましょう。
中火の炭の目安は、炭と手の距離が10cmくらい離れていて温度を感じる程度です。炭の特徴として、炭の中心部分が赤くなっているものが中火の炭で、火起こしから約40分程度たった炭を使用しましょう。
ダッチオーブンのパン作りレシピ
ダッチオーブンでパンを焼く準備や調理方法について理解したところで、パンのレシピに移りましょう。キャンプではもちろんお肉や魚介の料理もあるかと思います。その料理の付け合わせとしても、朝食の主食としても活躍する万能なパン作りレシピを紹介します。
簡単レシピはちぎりパンやバターロール
キャンプでダッチオーブンを使ってパンを焼くには、ある程度準備や知識が必要になるほか、鍋のサイズ的に作れるパンの種類が限られてきます。ここではダッチオーブンで作れるパンの中でも、シンプルで簡単に作りやすい「ちぎりパン」と「バターロール」のレシピを紹介します。
まずはちぎりパンのレシピです。材料は以下の通りです。
- 強力粉:350g
- 無塩バター:25g
- 砂糖:25g
- 塩:6g
- ドライイースト:6g
- 牛乳:250cc
大きめのボールに牛乳とイースト菌を入れて良く溶かします。イースト菌が溶けたら、ボールを湯煎で温めながら混ぜます。指をいれて冷たくない程度が目安です。 そこに他の材料を全部入れてしっかりこねます。20分から30分くらいこねて、生地をひっぱって薄くのびるようになったら生地を冷凍しておきましょう。
濡れた布巾をのせ、ビニール袋で包んで冷凍庫に入れたら準備完了です。現地に到着して二次発酵を済ませたら、生地を4つにたたんで軽くガス抜きをして10分くらい休ませます。7個から8個に生地を切ってそれぞれを丸めます。 次にダッチオーブンの側面と底面にクッキングペーパーを敷き、丸めた生地を置いていきます。
丸めた生地を真ん中に1個おいて、まわりに残りの生地をおいて、花まるのかたちに敷き詰めます。2次発酵はガスコンロでフタと本体をぎりぎり触れるくらいの温度に熱して、フタをして机の上におきます。さめてきたら、また暖めるを繰り返して約30分程度で完成ですが夏なら暖めなくても膨らみます。
最後に焼きですが、炭の分量は下2上8位の割合です。炭の量はパンを焼く上で密接な関係がありますので注意してください。焼き時間が10分くらい経てば、途中で蓋を開けても大丈夫ですが、下側のこげつきに注意して、パンの焼き加減を見るようにしましょう。大体20分くらいでいい香りがしてきたらできあがりです。
続いてバターロールの簡単な作り方と焼き方のレシピについて説明しましょう。バターロールは生地にバターを混ぜて作ります。生地の作り方はとても簡単ですし、自分で最初から作り上げたバターロールを焼きたてで食べるのはとても美味しいので是非試してみてください。
それでは簡単にできるバターロールの作り方を紹介します。材料は牛乳100g、バター40g、塩2g、全卵35g、強力粉200g、砂糖40gです。まず、パン生地を作りますので、ボールに強力粉、常温で柔らかくしたバター、塩、砂糖、ドライイースト、牛乳の順で入れ、混ぜます。 20分ぐらい生地をこねれば完成です。
作り出したパンの生地は、出発する時まで冷凍庫に入れて保存しておきましょう。出発時は生地をクーラーボックスに入れ、搬入時に温度が上がらないように気をつけましょう。キャンプ場に到着したら、クーラーボックスから生地を取り出し、二次発酵をさせましょう。
生地を12等分にして丸め、二等辺三角形に薄く伸ばします。お子様が喜ぶ、ハムやレーズンを入れたバターロルのレシピや、ウインナー等巻いて作るバターロールのレシピは後ほど紹介いたします。 ダッチオーブンの底に、クッキングペーパーを敷いてバターロールをのせます。生地が膨れる事も考慮して並べましょう。
火加減は下が弱火で上蓋に乗せる炭は中火になるようにしましょう。炭火の量は上と下が、4:1になるくらいが丁度いい焼き加減になる量です。約20分から30分程度で、ダッチオーブンの中からいい匂いがしてきたら焼き上がりです。淹れたてのコーヒーなどと一緒に食べると更に美味しく感じることが出来ます。
続いて先程紹介したお子様に人気なバターロールのレシピの応用ですが、今回はバターロールにウインナを巻いたレシピと焼き方、ハムやレーズンを入れたバターロールのレシピと焼き方についてご紹介していきたいと思います。どちらもとても簡単ですので是非お子様に食べさせてあげてください。
では最初にウインナーを巻いて焼くバターロールのレシピについて紹介します。レシピと言ってもこれはとても簡単で、先程バターロールの生地を12等分した二等辺三角形のものをウインナーを入れて巻くだけです。焼き方は、ウインナーを巻いた生地は大きいのでパンがひっつかないように間隔を広めに取りましょう。
次にバターロールにレーズンを入れるレシピと焼き方について紹介します。レーズンは市販の缶詰めに入ったもので大丈夫ですのでお好みの量をご用意ください。2次発酵が終わった生地にレーズンを入れて満遍なくこねます。あとは最初のバターロルの作り方と焼き方で大丈夫です。
最後にハムをバターロールに入れて作るバターロールのレシピと焼き方についてご紹介いたします。こちらもレーズン同様パン生地に練り込んで作りますが、ハムはお好みの大きさにカットし生地に混ぜ込みます。あとは通常のバターロールの作り方と焼き方で完成です。
ダッチオーブンでパンを作ってみよう!
ここまでダッチオーブンを使ったパン作りについて、色々紹介してきましたがいかがだったでしょうか?ダッチオーブンを使って作るパンはスーパーやコンビニで買えるパンと比べてはもちろん、お家でホームベーカリーで作るパンとはまた一味違ったパンとなります。直火で焼きたてのパンを一度味わってみてください。
また今回紹介した、ダッチオーブンで作るパンのレシピ以外にも簡単で魅力的なレシピはたくさんありますし、ご自分で簡単な新しいレシピづくりを楽しめるのも、キャンプという開放感と、便利な調理器具のダッチオーブンを使うことで、よりパン作りの楽しさやレシピの広がりを感じさせてくれることでしょう。
最後にダッチオーブンは素晴らしい調理器具ですが、炭火などの直火を使って調理する調理器具ですので、火起こしなどはお子様だけに任せるのではなく、必ず大人の監視下にある状態で行ってください。また、楽しいキャンプを終えたあとには、火の始末やゴミの持ち帰りは必ず行うようにしてください。